言われるままに愛犬を褒めた結果

ときどきね、クライアントさんからこんなことを言われるんですよ。

 「近所の人とかに、どんなレッスンやってるの?って聞かれても、すごく答えづらい。
  だって、『いま褒めて』って言われたときに褒めてたら、変わっていったんやもん。
  普通は、オスワリとか、フセとか、マテとかやるでしょう?
  そういうのがないですもんね」

これ、言葉を変えて結構な割合で言われます。
僕がコマンドとかよりも、「褒めるタイミング」にものすごくこだわっているからだと思います。

あ、さて。
前回のエントリでは「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お外編」というものをお伝えしました。

じゃあ、どうなるの?と。
「賢くなるってどうなるの?」と。
言葉で説明するより、とりあえず見ていただいた方がわかりやすいかと思います。

まずはこちら。

DSC_0079

とてもきれいに横について歩いてくれていますね。
アイコンタクトもばっちりです。

この子は多少「拾い食い」の傾向があったので、ここまでを目指しました。
「ちょっと引っ張り癖がある」程度だったら、ここまでを目指す必要はないと思います。
リードが緩んでる状態で、のんびり歩ける」ぐらいでいいかなと。

ただ、「拾い食い」「他犬などに吠える」という悩みがある場合は、これぐらいまでできるようになれば、かなり予防できます。
「拾い食いをしたときにどう対処するか?」とか、「吠えたときにどう対処するか?」ということは、置いておきます
そんなことよりも「イヌが自分から飼い主を気にしながら歩く、飼い主を見ながら歩く」ということを、とにかくどんどん褒めていく
それが一番大事。

時々、このブログに「叱り方」というキーワードでやってこられる方がいらっしゃいますが、叱り方を調べる前に「どう褒めるか?」を考えて欲しいなと思います。

イヌの行動のコントロールが上手な人は、「叱り方がうまい」のではありません。
褒めるのがうまい」んです。

続いてはこちら。

run

以前にも載せたことのある写真ですね。

この子は、元々「他犬を見るとものすごく興奮して吠えまくる」という悩みがありました。
一度吠え出すと、しばらく止まりません。
でも、ドッグランの横でゆっくり座ってるなんてことも、できるようになっています。

完全に吠えなくなったわけではありませんが、吠えたとしても「ワン!」ぐらいで、すぐに黙ります。
以前は「ギャンギャンギャンギャン!(数分間吠え続ける)」だったことを考えたら、ものすごい進歩です。

「叱り方」なんか、知らなくていいんですよね。
どちらのわんこも、基本は前回のエントリで書いたことを丁寧に続けた結果です。

 ・自分のそばにいる(歩いている)ときに褒める
 ・自分を見たら(気にしたら)褒める

この2つを日々の散歩で続けていたら、ここまでいきました。
早い子だったら、1週間とかそこらで明確に変化が出ます。

また、この子達はアイコンタクトばっちりですが、前回のエントリにもちらりと書いたように「アイコンタクトのトレーニング」みたいなことは、一切やっていません
そんなことをしなくても、これぐらいのアイコンタクトは自然にできるようになります。

 ・自分のそばにいる(歩いている)ときに褒める
 ・自分を見たら(気にしたら)褒める

このタイミングで褒めることを、忘れないでいただきたいなぁと思います。

で、冒頭の言葉ですよ。

 「近所の人とかに、どんなレッスンやってるの?って聞かれても、すごく答えづらい。
  だって、『いま褒めて』って言われたときに褒めてたら、変わっていったんやもん。
  普通は、オスワリとか、フセとか、マテとかやるでしょう?
  そういうのがないですもんね」

大切なのは「褒めるタイミング」と「褒める中身」なんですよね。

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , , ,

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お外編」

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」というエントリを書きました。
そうなると、次は「お外編」ですね。
ということで、「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お外編」です。

お外に関するご相談で多いのは、大体以下の3つです。

 引っ張り癖
 拾い食い
 他犬等に吠える

で、こういうご相談に割とオールマイティーに対応できるようなものがあります。
結論から書いちゃいましょう。

 ・自分のそばに来る(そばにいる)
 ・自分を見る(気にする)

この2つをイヌがしたら、必ず褒めるようにしてみてください。
結構散歩が楽になるはずです。

特に、引っ張り癖と拾い食いにはかなり効果があると思います。
もうちょっと詳しく説明しますね。

 「引っ張り癖」
 「拾い食い」
 「他犬等への吠え」

いずれの問題も、「イヌが飼い主をまったく気にしていない」ことが、要因の一つです。
引っ張り癖のあるイヌは、まず飼い主さんを気にしていません。
ほぼ間違いなく「自分の行きたいところ」目掛けて、猪突猛進です。
そして、「拾い食い」「他犬等への吠え」という問題と、この「引っ張り癖」は大体ワンセットです。
バリューセットのように、ついてきます。

 飼い主を引っ張りながら、自分の行きたい場所へ猪突猛進!
 そしたらそこに、食べ物があった!
 食べたらうまかった!

はい、これで「拾い食い」の学習が成立です。
下手すると一発で覚えちゃいます。

また違う場面では…

 飼い主を引っ張りながら、自分の行きたい場所へ猪突猛進!
 そしたらそこで、イヌと出くわした!
 吠えたらどっか行った!

はい、これで「他犬への吠え」の学習が成立です。
こちらは、一発で覚えちゃうかどうかは微妙ですが、繰り返し経験するうちに、どんどん「他犬-吠える-他犬どっか行く」という学習が定着していきます。
通行人や、バイク、自転車も同様です。

「拾い食い」も「他犬等への吠え」も、大体イヌの方が先にターゲットを見つけます
飼い主さんが気づくのは、大体イヌがアクションを起こした後

 「なんかくちゃくちゃやってる?」と思ったら、何か食べてた。
 イヌが急に吠え出したと思ったら、イヌがいた。

大体こんな感じです。
だから、「事後の対応」がほとんどになります。

拾い食いなら「オヤツと交換」とか。
吠えなら、叱るとかコマンド出すとか。

「オヤツと交換」とか「叱る」とかで対処できている人は、できているわけですから、それほど悩むこともないかもしれません。
でも、それではうまくいっていないという方には是非、冒頭で挙げた「自分のそばに来る(そばにいる)」「自分を見る(気にする)」というタイミングで、必ずイヌを褒めるということを、やっていただければと思います。

そうするとどうなるか?

 ・基本的に飼い主のそばにいる
 ・基本的に飼い主を気にしながら歩く

こういうイヌになります。
アイコンタクトの練習とかは要りません
よくね「自分の目線とイヌの目線の間に食べ物を持ってきて、『ルック』と言いながら、アイコンタクトの練習をしましょう」というトレーニングが紹介されてますけれど、別にそんなことしなくても目は合うようになります。

まあ、アイコンタクトとか書きましたけれども、別に「アイコンタクト」を目指す必要もありません。
要は「イヌが、飼い主を気にしながら歩く」というのが大事

すると、引っ張り癖がまず解消されます。
そして、拾い食いも「飼い主を気にしながら歩く」わけですから、地面に落ちている物に気を取られずに歩いてくれるようになります。
吠えについても同様で、基本的には「イヌは見た方向に吠える」と思ってもらって構いません。
音や気配に反応して吠える場合は別ですが、はっきりと「吠える対象」がある場合、そちらの方向を「見て」吠えます。
てことは、「飼い主さんの方向を見ている」場合、かなりの割合で「吠え」を予防できます
そうすると、「落ちている物」「吠える対象」を「スルーできる」ことになるわけで、さらに「褒めるポイント」が増えます。
ますます問題が解消に近づいていきます。

とにかく大事なのは「正解を教えること」です。
間違いを指摘することではありません。

 「拾い食いをしたらダメ」
 「吠えたらダメ」

こうではないんです。

 「あたしのことだけ考えて!」

これを、イヌに伝えていくわけですね。

もちろん、これだけでは対処できないこともあります。
それは、今までにどのような学習をどれだけの期間積んできたか?
今お住まいになられている地域の環境がどんなものか?(散歩中に他犬に会う回数とか)によって、変わってきます。

あなたのわんこがどうなのか?は、やってみないことにはわかりません。
また、あなた自身がどうなのか?も、これまたやってみないことにはわかりません(褒めるタイミングとかそういう部分ですね)。

だからまずは、とにもかくにも、一度でもいいからやってみてください。
何か変わるかもしれません。

もしもうまくいかなかったり、何も変わらなかったら、僕のところでもいいですし、お近くのプロでもいいですから、一度相談してみてください。
きっと、なんとかしてくれるはずです。

カテゴリー: 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , ,

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント 5

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」の、「注意すべきポイント」のラストです。
これまでのエントリと、合わせてお読みください。

・オーダーメイドなんです

結局ここに戻るかって感じなんですが。
この仕事を始めて結構経ちます。
で、こうやってブログで色々と書いたり、セミナーでお話をしたり、訪問セッションでサポートしたりと、色々やっているのですけれども、結局のところここに辿り着くんですよね。

本当に色んな飼い主さんがいらっしゃって、色んなわんこがいます。
それぞれ、色んな環境で生活されています。
そして、そのそれぞれに色んな悩みや困りごと、将来なりたい姿、望む目標、本当に色々です。

最近は、関西以外のトレーナーさんや、トリマーさん達ともお話をさせてもらうことが多いのですが、結局のところ「どんなイヌにも、どんな飼い主さんにも、どんな困りごとにも、どんな目標にも合うやり方」なんてものは、存在しないんですよね。
だから、私たち「プロ」と呼ばれる人間は、引き出しの多さが大事になってくるんです。
勉強、勉強の毎日です。
日々、飼い主さんや、わんこに教えていただく毎日です。

そして、こういうブログや、しつけの本などでお伝えできることには限界があります。
まず、僕はあなたのイヌのことを知りません。
次に、あなた自身のことを知りません。
どこか僕の見ていないところで、きっと困ってる、何とかしたいと頑張ってる、あるいは「こんなはずじゃなかったのに」「こんな風になりたいのに」ともがいてる、そんな方に向けて、このエントリを書いています。

でもそれは、あくまでも僕の「想像」でしかないわけです。
僕がイメージできることなんて、たかが知れてます。

実際、僕のところに寄せられるご相談っていうのは、本当に多種多様。
イヌの行動も多種多様。
飼い主さんだって、多種多様。
僕の想像なんて、簡単に超えちゃってたりします。

それぞれのイヌ、それぞれの飼い主さん、それぞれのご家庭、それぞれの環境を見て、試行錯誤しながら、それぞれに合ったアドバイス、やり方をお伝えするのが一番ですし、そうするほかないんです。

よくね「似たようなケースだったら、どれぐらいでなおってますか?」みたいな質問を受けるんです。
これは、飼い主さんだけじゃなく、プロの方でもこういう質問がきたりします。

確かに「チャイム吠え」とか、「要求吠え」とか、「甘噛み」とか、そういう風に分類すれば、似たようなケースって言えなくもないんです。
ないんですけど。
でも、やっぱり「違うイヌ」で「違う飼い主さん」で「違うお家」ですから、全然違ったりするんですよね。

「イヌそれぞれで違います」ってのは、まさにその通りで。
そこにプラス「飼い主それぞれで違います」と、「ご家庭それぞれで違います」ってのが出てきます。
ここまで考えると、もう似たようなケースなんかないんですよ。

イヌの行動というのは、あなたが生活している環境によって、左右されます
もしもいま、あなたのイヌが何か困った行動をしているとしても、イヌが勝手にそんな行動を覚えたわけではありません
あなたとあなたのイヌが暮らしている環境で、毎日色んなことを経験して、学習して、身につけてきたんです。
ですから、あなたが生活している環境を見ないことには、実は何も言えないんです。

 「しつけがうまくいかない」
「問題行動で悩んでる」
「いまひとつ、楽しい毎日が送れていない」

こういう方に決定的に足りないのは、「オーダーメイドのアドバイス」なんですね。
だから僕は、基本的には「しつけの困りごと」を解決したいのであれば、プロのトレーナーさんにお家に来てもらうことをお勧めします。

このブログに書いてあること、お伝えしていることは、「オーダーメイドのアドバイス」ではありません。
言ってみれば、ユニクロとか、GAPとか、まあまあ誰にでもはまるかなー?という感じのものです。
あなたとあなたのイヌ、そして暮らしている環境に合った「オーダーメイド」のアドバイスが100点だとしたら、このブログに書いてあることは、せいぜい50~60点ぐらいのものです。

でも、基本は外していませんから、それだけで何とかなる場合も当然あります。
そんなに多くはありませんが、時々「ブログに書いてある通りにやってみたら、本当に変わりました!ありがとうございます」なんてメールを頂戴することもあります。
反対に「ブログに書いてある通りにやってるんだけど、全然変わらないんです」というメールも、頂戴することもあります。

ですから、これまでにこのブログでお伝えしてきたことを、あなたなりにやってみた。
でも、うまくいかなかった。
そんな場合は、お近くのプロにご相談ください
で、家に来てもらって、環境を見てもらってください
すぐに、スコンと解決できることもたくさんあります。
時間が経てば経つほど、問題は複雑に、ややこしくなっていきます。
今すぐやっちゃえば、ひょっとしたら明日には解決の糸口が見つかるかもしれません。
なんなら、1週間後とか1ヶ月後には、問題がなくなってるかもしれません。

ならいつやりますか?

今でしょ!

ま、とりあえず、ここまでに挙げたポイントに気を付けつつ、わんこをいっぱい褒めてみてください。
それでうまくいかなかったら、ご連絡ください。

大丈夫。

なんとかなりますから。
なんとかしますし。

大丈夫。

続きます

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , , ,

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント 4

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」の、「注意すべきポイント」の第4弾です。

「注意すべきポイント」結構多いですね。

ここが、いわゆる「褒めるしつけ」の落とし穴だと思います。
15年ぐらい前から、少しずつ「褒めるしつけ」というものが広がり始めて、右を向いても左を向いても「褒める褒める褒める」って感じですが、ここ数年は「褒めるだけでうまくいかないことだってあるだろうが」みたいな批判?意見?も、ちらほら見かけたりします。

 「褒めるだけではうまくいかない」

これは、まあ半分はその通りかなー?とも思いますが、半分は違うなーと思います。
闇雲に褒めてればいいってもんではないんですね。
おさえなきゃいけないポイントがあるんです。

・その褒め方、合ってますか?

「落ち着いたイヌ」に、育てたいわけですよね?
「大人しいイヌ」に、育てたいわけですよね?

だったら、まずは飼い主さんが落ち着きましょう

しつけの本とかには、「正しい褒め方」てな感じで、こんなことが書いてあったりします。

 「高い声で、グーッド!と、イヌがウキウキするように言ってあげましょう」

余計興奮するわ

淡々とやってください。
淡々と。
「大人しい子に育てたい」のに、わざわざ興奮させるような褒め方をすることはありません。

また、こういうパターンもあります。

 「意味のない褒め方をしている」

以前のエントリでもしつこく書いていることですが、「褒められたかどうかは、イヌが決める」んです。
私たち人間じゃなくて、あくまでも相手が決めるんです。
「褒める」というのは、「相手が喜ぶプレゼントを渡す」のと同じです。

これもまた、いわゆる「褒めるしつけ」の落とし穴でしょうね。
「一生懸命高い声でグーッド!と言いながら、体を撫で回す」では、喜ばないイヌだってたくさんいます。
あくまでも「自分のイヌに合った褒め方」ってものを、見つける必要があるんですね。

でも、それってどんなものなの?という疑問も出るかと思います。
考えるのが面倒よっていう方もいらっしゃるかもしれません。
そんなわけで、これもある程度決め打ちで。

 「食べ物を使う」

これをやりましょう。
大体のイヌは、これで喜びます。

「食べ物に頼ったしつけは、真のしつけではない」とかいう意見もありますが、無視してください。
どうでもよろしい。

「本当に飼い主からの愛情や、信頼関係ができていれば、
食べ物に頼らなくてもできるはずだ」

こんな意見もありますけれど、これ、言い換えればあれですよ。
「本当に仕事を愛しているのなら、給料なんかなくてもお客様の笑顔で満足できるはずだ」ってのと同じですからね。
どこのブラック企業だよって話です。
あなたがブラック企業の社長だというんなら話は別ですが、そうじゃないんなら食べ物使っちゃいましょう。

それに、最近の研究(確か、去年か今年あたりに某論文雑誌で発表されてました)では「人に撫でられることが、実はまったく嬉しくないイヌもいるっぽい」なんて報告もあります。
こないだも、お馬さんの行動を研究されてる学習心理学の先生とお話させていただきましたが、お馬さんも「撫でられる」よりも、ほんの小さなペレット(ドライフードみたいなもんです)1粒の方が、嬉しいようだっていう研究もあります。

食べ物は、イヌにとってのお給料

このように考えていただければちょうどいいかなー?と思います。

あと、この辺のことは、もっと詳しくお話できることでもあるので、今後また出します。

とりあえずの「正解が欲しい」という方。
食べ物を使いましょう。

続きます

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , ,

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント 3

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」の、「注意すべきポイント」の第3弾です。
さくさくいきましょう。
前回、前々回のエントリと合わせて、お読みくださいませ。

・あらかじめ環境を整えてくださいね
「イタズラ」や「家具をかじる」というのをなんとかしようとするときに、そもそも「床に色んな物が落ちてる」場合、まずうまくいきません。
片付けましょう

「家具をかじる」にしても、イヌが部屋の中を自由に動き回れる状態だと、これまたうまくいきません
人の手や足、服の裾などを噛む「甘噛み」も同様です。

前回のエントリに書いたように、やることは「褒めるだけ」です。
ですから、もしもイヌが「褒めた後に動き回ったり、手を噛んでくる」なんてことになっても、「マテ」とか「オスワリ」とか「ダメ」とか「コラ」とか「いやんばかん」とか言う必要はありません
というか、むしろそれは余計なひと言です。

じゃあどうするのか?っていうと、「逃げる」これだけです。
イヌのそばから、立ち去ってください
すると、こんな流れになります。

 イヌが座ってる-褒める-イヌが立ち上がる-逃げる

ここまでは、前回のエントリで書いた通り。
問題は、ここから。

自分のそばから飼い主さんがいなくなったイヌは、大体「そばにある物を噛む」か、「飼い主を追いかける」かのどっちかをしたりします。
つまり、こんな感じ。

 飼い主が逃げる-家具をかじる or 飼い主を追いかける

イヌに完全な自由を与えていると、こうなります。

よくあるんです。

 「甘噛みしてきたから無視をするとか、立ち去るとかやると、
  追いかけてきて足とか服とか噛んでくるんです」
 「褒めたら興奮したので、その場を立ち去ると、
  そのままクッションを噛んだり、カーテンを破ったりするんです」

イヌに自由を与えていると、こういうことになります。

家の中で、色んな悪さをするということは、つまり「人間との共同生活のルール」を、イヌがわかってないということです。
ルールを知らない相手に自由を与えるというのは、小学生に大金持たせて繁華街に一人で行かせちゃうようなものです。
ですから、「褒めるだけでなんとかなる環境を作る」ことも大切です。
というか、それなくして、しつけはなかなか前に進みません。

代表的なのが「サークル」「ケージ」の活用です。

よくね「サークルやケージに閉じ込めるのはかわいそう」という風に言う方がいらっしゃいますが、閉じ込めるんじゃないんです。
自発的にイヌがその中で過ごすようにやっていくんです。
それに、ヨチヨチ歩きの赤ちゃんを、部屋の中で自由にさせないでしょう?
どんな事故があるかわかんないから。
赤ちゃんが落ちてるゴミを口に入れたら、大体の人は「ゴミを捨てなかった大人」を怒るはずです。
でも、同じことをイヌがすると、なぜかイヌが叱られるんですよね。

 「褒めるだけでなんとかなる環境」

これをしっかり整えれば、褒めるだけでどんどん変わっていきます。

続きます

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , , ,

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント 2

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」の、「注意すべきポイント」の続きです。
どんどこいきましょう。

・余計なことをしてませんか? その1
前回のエントリでも書きましたが、「褒めてるのに変わらない」という場合、「褒め方が合ってない」か「余計なことをしている」かのどちらかです。

その「余計なこと」の第1位が「コマンドを出す」です。

コマンドは要りません

「オスワリ」とか「マテ」とか、要りません。
やるのは「褒めるだけ」です。

なぜか?
ほとんどの方(これは飼い主さんだけに限らず、トレーナーさんも)が「コマンドを出すタイミング」というのは、「イヌが悪いことをしているとき」です。

 暴れてるから、マテと言う
 立ち上がったから、オスワリと言う
 ウロウロしてるから、オイデと言う

こんな感じで、「コマンドで止めよう」とします。
これが余計です。

イヌからすれば、こういう流れになっています。

 構ってもらっていない-暴れる-「オスワリ」-座る-構ってもらえる

こういう流れを何度も経験すると「構ってもらっていないときに、暴れて、オスワリと言われて、座ると、構ってもらえる」という風に覚えます。
つまり「座るんだけど、暴れもする」という子になります。

たくさん居るんです。
「コマンドには従うけれど、落ち着きがない」という子。
それは「落ち着いてないときに、コマンドを出しているから」です。

コマンドは要りません。

・余計なことをしてませんか? その2

 「イケナイ」
 「ダメ」
 「コラ」

これも要りません。
理由は、↑の「コマンド」とまったく同じです。

 構ってもらっていない-暴れる-「ダメ!」-やめる-構ってもらえる

こういう流れを何度も経験すると「構ってもらっていないときに、暴れて、ダメと言われて、止めると、構ってもらえる」という風に覚えます。
つまり、「ダメって言えば止まるんだけど、基本的に落ち着きが無い」という子になります。

また、こういうパターンもあります。
今度は飼い主さん目線。

 イヌが座っている-褒める-イヌが立ち上がる-ダメとか言う-グダグダ…

座ってるところを褒めるまでは良かった。
その後、イヌが嬉しくなって立ち上がったり、飛びついたり、甘噛みしてきたりします。
そこで「ダメ」とか言っちゃう。
この「ダメ」は余計です。
「ダメ」の代わりに「マテ」とか「オスワリ」とか言うのも、余計です。

やるのは「褒めるだけ」ですから、もしも立ち上がったり、飛びついたりしてきたら逃げてください

これは「褒めようと思って近づいたら、立ち上がっちゃった」でも同じです。
そしたら、逃げてください。

すると、イヌ目線ではこうなります。

 構ってもらっていない-座ってる-構ってもらえる
 構ってもらっている-立ち上がるとか甘噛みする-構ってもらえない

立ち上がったり、甘噛みしたりすることで、せっかく手に入った(もしくは入るはずの)「飼い主からの賞賛」を、手放すことになります。
イヌにとっては、これは損です。
結果的に「座る時間が増加」「甘噛みとかしたりする時間が減少」ということになります。

この「余計なこと」は、本当にたくさんの方がしてらっしゃいます。
そして、そのことに気づいていません

僕はよく、こういうことを言います。

 「自分の行動は見えない」

ほとんどの人が、無意識のうちに「ダメ」とか「コラ」とか「あっ!」とか「うわ!」とか「いやん!」とか言ってます。
なんなら、手まで動かしてやってるんですが、気づいていません。
指摘されても「え?そんなことやってました?」ってなることがほとんどです。
ですから「自分が何をしているか?」を、第三者にチェックしてもらったり、それも動画にとっておくとわかりやすいですね。

あと。

「しつけ=コマンドに従わせる」という頭はしっかりと消しちゃってください


「しつけ=ダメなことを教える」という頭も、しっかりと消しちゃってください

どっちも違います。

前者は「しつけ」ではなく、「訓練」です。
訓練を頑張ったのに、大人しくならないってパターンにはまる方、すごく多いんです。

後者は、そもそもの学習の王道から外れています。
まずは「正解を教える」が、王道です。
いきなり間違いを指摘されても、学習はなかなか進みません。

「あなたのしつけは間違っている!」って言われ続けても、きっとしつけはうまくいきませんよね。

続きます

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , , ,

「こんなときに褒めれば賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント

前回のエントリで「こんなときに褒めれば賢くなりますよ」というのを、もうある程度決め打ちで書きました。

「寝てる」
「伏せてる」
「座ってる」

イヌがこういうことをしているときに、「褒める」ってことをしていれば、いずれ「よく寝て、よく伏せ、よく座る」イヌになります
ほぼ間違いなくなります。
嘘だと思うなら、やってご覧なさいという感じなんですが。
「やってみたけどなんないじゃんよ」というご意見もあるやもしれません。

あなたはいかがでしょうか?
実際にやってみられていますか?

「やってみましたけど、変わりませんねぇ」ということもあるかと思います。
そんなわけで、注意すべきポイントをいくつか。

「アドバイス通り褒めたけど変わらないぞ」という方のために
注意すべきポイント

・ある程度時間はかかります
あくまでも僕の個人的な経験での話ですが、大体の方の「やってみました」は「3」が多いようです。

まず「3回ぐらいやってみた」という感じ。
少ない。
少なすぎる。
3回やって変わるんなら、こんな楽なことありません。

次に「3日ぐらいやってみた」という感じ。
これも少ない。
短い。
足りません。

せめて3週間

最低3週間はやってください

そうすれば、大体どんな子でも変わってきます。
変化が見えます。

「叱る」とか「罰を与える」という対応は、割と変化がすぐに出たりします(その後、元に戻りますけど)。
反対に、「褒める」ことを基本とした対応は、変化がゆっくりだったりするんですね。
よく「根気が要る」なんて言われたりもするんですが、まあそれは結構その通りだったりもします。

「褒めつつ変化も早い」という技もあるんですが、それはまたいずれ。
とりあえず、最低3週間は続けるんだなぁということを、覚えておいてください。

・元の状態を覚えておいてくださいね
時々、トレーナー側から見れば「明らかに変わってる」のに、飼い主さんが気づいていないことがあります
おそらく、毎日接していく中で、ゆっくり、ちょっとずつ変わっていくから、気づきにくいんでしょう。
ですから、元々どんな状態だったのか?ということを、覚えておいてください

一番いいのは、録画しておくこと。
スマホでもデジカメでもなんでもいいですから、ちょっと長めに録画してください。

あるいは、記録をとる。
吠えてるんなら、大体1日に何回吠えたのか?
あるいは、1回あたりの吠えの持続時間は何秒ぐらいなのか?
この辺を、まずは数えておきます。
イタズラや、走り回るのも、数えておきます。

そして3週間経過してから元の状態と見比べたら、明らかに変わっているはずです。

「いや、全然変わってませんけど?」という場合は、何か別の要因が絡んでいるはずです。

注意すべきポイントは、まだあるんですね。

続きます

カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ | タグ: , , , , , , , ,