ゆとりきょういく?

ヒトがイヌと暮らすっていうのは、「生態も文化も何もかもが違う異種族同士が暮らす」ってことですよね。
どうせ暮らすんなら、やっぱり「楽しい」方がいいですし、「」なのに越したことはないなと。

「イヌとの暮らし」っていうのは、「これができたら終了」みたいなゴールはないわけです。
「しつけ」とか「トレーニング」みたいなのってね、「ある一定期間教えるべきことを教えて、こういう状態になったらそれで終了」みたいに捉えてる方も結構いらっしゃると思うんですけど、これを「暮らし」って考えるとそうはならないですよね。
ご結婚されてる方ならわかると思うんですが、やっぱり「日々の相手とのやり取りの積み重ね」っていうのが、あるわけじゃないですか。
そういう「繰り返しのあるやり取り」を重ねていきながら、互いに居心地の良い暮らし方っていうものを、少しずつ積み上げていく。
「イヌと暮らす」っていうのも、同じだと思うんですね。
勉強とか、何かの資格を取るとか、仕事とかだと、それぞれに明確な「目標=ゴール」があって、それが達成できたら終了、あるいはひと区切りになりますが、「一緒に暮らす」ことのゴールっていうのは、まあ「死が2人を分かつまで」は訪れないわけです。
「あがり」が無い。
だったら、その道のりはできる限り「」で「楽しい」ものであればいいなと。

で、僕としてはその「楽で楽しい」を、「いま、ここ」からスタートできることを目指したいんですね。

こう「しつけ」とか「問題行動の改善」とかって、なんだか「修行」みたいに捉える風潮もあるじゃないですか(ないかな?)。

「いまは確かに色々と問題はあるし、しんどいかもしれないけれども、ここを踏ん張ればいつか楽になります」みたいな。

僕はそういうのではなくて、「いま、ここ」から「楽で楽しい」ってなれば、いいなぁと思うんですね。
で、そういうことのために「行動の科学」とかがあるんだと思うし、プロの方がいるんだと思うんです。

「正の強化でどうたらこうたら」と僕は普段から言ってたりするんですが、とどのつまりは「いまこの瞬間から楽しかったら最高だぜべいべ」ってことです。

で、そのときにまず考えるべきなのは「飼い主さんが楽かどうか」だと思うんですね。
だから、まず最初に目指すのは「とにかく楽に生活が回せるかどうか」だと思います。

たとえば家の中でのイタズラがすごいと。
もう、少しの間も目が離せないと。
だったら、できるだけイタズラが起きない環境を、まずは作る
サークルを設置してもいいし、色々と片づけるでもいいと思います。
すると、1日のうちの何割かは「イヌから目を離せる時間」っていうのができます

子育てとかでも同じだと思うんですが、大体は「お母さん」が主体となってることが多いですね。
家事をやり、子供の面倒も見、自分の時間が一切持てないってなると、これはしんどいです。

最近、色々と見ていて思うのは「育メン」とかいって、家事や子育てを手伝ってくれる旦那さんっていうのは増えてるみたいなんですけど、どうも「ただ手伝う」のじゃダメなんだなぁと。
それよりも「1人で居られる時間」「自分の好きなことを誰にも邪魔されずにできる時間」っていうのがあるかどうか。
週に1日でも2日でも、「子どもの寝かしつけはおれがやっておくから、映画観たり、お酒飲んだりしていいよ」みたいな日があるのかどうか。
細切れに「ゴミ出しは手伝ってます」とか、「ご飯を作ったりしてます」とか、「子どもの面倒を見たりしてます」とかよりも、「ふっと息を抜ける時間」が、ちゃんと確保できてるかどうかっていうのが、どうやら大事なんだなと。

わんことの暮らしも、同じだと思うんですね。
ずーっとわんこの行動を見て、悪いことをしたら叱り、良いことをしたら褒めるみたいなのって、まあしんどいと思います。
でも、いまよりも少しでもゆとりができれば、わんことも楽しく向き合えるといいますか、同じ「褒める」にしたって、いい感じに褒められるといいますか。
その「ゆとり」をいかに作るか?っていうのは、これ大事だなと。

そういった意味では、イヌの幼稚園みたいなところを利用するのもアリだろうなぁと思ってます。
もちろん、預ける先はちゃんと選ばないとダメですし、お金もその分かかりますけど。

あるいは、散歩中の引っ張り癖がすごいと。
もう、腕も肩もパンパンですと。
でも、おやつ見せると横についてくれますと。
なら、もうそれでいいじゃんっていう。

「食べ物に頼っていては、ちゃんとしたしつけにはなりません」みたいな意見もありますけど、別に「ちゃんとしたしつけをするためにイヌと暮らしてる」ってわけじゃないでしょう?
「しつけ」はあくまで「手段」であって、「目的」じゃないです。
「楽に楽しく暮らすための手段」のひとつが「しつけ」なんであって。
どうもここがあべこべになっちゃってる人が、少なからずいらっしゃるように思えるんです。
あなたはいかがですか?
「食べ物使えば楽にお散歩できるんですー」だったら、もうそれはとてもいいことなんじゃないかなぁと思うんですね。

飼い主さんは楽にお散歩できるし、わんこも散歩楽しいし、おやつももらえるしで2倍ハッピーですよね。
さらに楽にお散歩できるから、行けるところも増えるし、距離も伸びるでしょう。
飼い主さんも笑顔でお散歩できるでしょう。
お互いにますます楽しいですね。
これはもう、3倍も4倍もハッピーです。

やっぱり、」は正義だなと思う次第です。

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
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