「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」 注意するポイント 2

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」の、「注意すべきポイント」の続きです。
どんどこいきましょう。

・余計なことをしてませんか? その1
前回のエントリでも書きましたが、「褒めてるのに変わらない」という場合、「褒め方が合ってない」か「余計なことをしている」かのどちらかです。

その「余計なこと」の第1位が「コマンドを出す」です。

コマンドは要りません

「オスワリ」とか「マテ」とか、要りません。
やるのは「褒めるだけ」です。

なぜか?
ほとんどの方(これは飼い主さんだけに限らず、トレーナーさんも)が「コマンドを出すタイミング」というのは、「イヌが悪いことをしているとき」です。

 暴れてるから、マテと言う
 立ち上がったから、オスワリと言う
 ウロウロしてるから、オイデと言う

こんな感じで、「コマンドで止めよう」とします。
これが余計です。

イヌからすれば、こういう流れになっています。

 構ってもらっていない-暴れる-「オスワリ」-座る-構ってもらえる

こういう流れを何度も経験すると「構ってもらっていないときに、暴れて、オスワリと言われて、座ると、構ってもらえる」という風に覚えます。
つまり「座るんだけど、暴れもする」という子になります。

たくさん居るんです。
「コマンドには従うけれど、落ち着きがない」という子。
それは「落ち着いてないときに、コマンドを出しているから」です。

コマンドは要りません。

・余計なことをしてませんか? その2

 「イケナイ」
 「ダメ」
 「コラ」

これも要りません。
理由は、↑の「コマンド」とまったく同じです。

 構ってもらっていない-暴れる-「ダメ!」-やめる-構ってもらえる

こういう流れを何度も経験すると「構ってもらっていないときに、暴れて、ダメと言われて、止めると、構ってもらえる」という風に覚えます。
つまり、「ダメって言えば止まるんだけど、基本的に落ち着きが無い」という子になります。

また、こういうパターンもあります。
今度は飼い主さん目線。

 イヌが座っている-褒める-イヌが立ち上がる-ダメとか言う-グダグダ…

座ってるところを褒めるまでは良かった。
その後、イヌが嬉しくなって立ち上がったり、飛びついたり、甘噛みしてきたりします。
そこで「ダメ」とか言っちゃう。
この「ダメ」は余計です。
「ダメ」の代わりに「マテ」とか「オスワリ」とか言うのも、余計です。

やるのは「褒めるだけ」ですから、もしも立ち上がったり、飛びついたりしてきたら逃げてください

これは「褒めようと思って近づいたら、立ち上がっちゃった」でも同じです。
そしたら、逃げてください。

すると、イヌ目線ではこうなります。

 構ってもらっていない-座ってる-構ってもらえる
 構ってもらっている-立ち上がるとか甘噛みする-構ってもらえない

立ち上がったり、甘噛みしたりすることで、せっかく手に入った(もしくは入るはずの)「飼い主からの賞賛」を、手放すことになります。
イヌにとっては、これは損です。
結果的に「座る時間が増加」「甘噛みとかしたりする時間が減少」ということになります。

この「余計なこと」は、本当にたくさんの方がしてらっしゃいます。
そして、そのことに気づいていません

僕はよく、こういうことを言います。

 「自分の行動は見えない」

ほとんどの人が、無意識のうちに「ダメ」とか「コラ」とか「あっ!」とか「うわ!」とか「いやん!」とか言ってます。
なんなら、手まで動かしてやってるんですが、気づいていません。
指摘されても「え?そんなことやってました?」ってなることがほとんどです。
ですから「自分が何をしているか?」を、第三者にチェックしてもらったり、それも動画にとっておくとわかりやすいですね。

あと。

「しつけ=コマンドに従わせる」という頭はしっかりと消しちゃってください


「しつけ=ダメなことを教える」という頭も、しっかりと消しちゃってください

どっちも違います。

前者は「しつけ」ではなく、「訓練」です。
訓練を頑張ったのに、大人しくならないってパターンにはまる方、すごく多いんです。

後者は、そもそもの学習の王道から外れています。
まずは「正解を教える」が、王道です。
いきなり間違いを指摘されても、学習はなかなか進みません。

「あなたのしつけは間違っている!」って言われ続けても、きっとしつけはうまくいきませんよね。

続きます

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: ベースアレンジ, 接し方のベースアレンジ タグ: , , , , , , , , パーマリンク