イヌの「できる」を増やすために 8 いまを認める

「いま、できていること」にとにかく注目する
「できる」の条件を緩める
「できる」ように工夫する

イヌの「できる」を、増やす、伸ばすためにということで、↑の3つのことをお伝えしてきました。
そして、↑の3つをまとめると、まずはこんな風に表現することができます。

 「イヌの“いま”を認める」

この10~15年ぐらいの間で「褒めるしつけ」というのは、随分と市民権を得てきたというか、広がってきています。
かくいう僕も、飼い主さんにまずお伝えするのは「褒める」なので、「褒めるしつけの人」という風に言われたりすることもあるんですが、僕自身はちょっと違うと考えているんですね。
確かに「褒める」んです。
それは間違いないんです。
じゃあ、何が違うんだ?っていうと、それは「いまを認めるしつけ」なんですね。

このブログを読んでいる方が「褒める」ということをどんな風にとらえていらっしゃるかはわかりません。
でも、大体の場合「正しいこと」「賢い行動」をイヌにさせて、そこを「褒める」という感じだと思います。
あるいは「正しいこと」「賢い行動」をイヌがするまで待って、そこを「褒める」という人もいると思います。
あなたは、どうでしょうか?
僕は、ちょっとそれとは違っていて。

「いま、できないこと、できていないこと」があって、それを「できるようにさせてから褒める」ではないんですね。
そうじゃなくて「いま、すでにできることがある、できてることがある」こういう風に考えるんです。
「いつかはできるようになるから、そうしたら褒めよう」ではなく、「いま、もうすでにできてるから、いま褒めちゃおう」みたいな。
つまり、限りなく「いまを認めるしつけ」なんです。

なんだかわかったようなわからないような話ですね。

僕は、飼い主さんに対して、こんなことをよく言います。

 「いますぐ褒めるために、何をすべきか?を考えましょう」

ほとんどの人は、「褒める」を「行動を伸ばす、増やすための手段」だと考えていらっしゃると思います。
たしかにそれはそうなんです。
でも、そこからもう一歩進めてというか、ちょっと視点を変えて、こう考える。

 「いま褒めることを、目的とする」

たとえ問題行動を起こしまくっているイヌがいるとしても、「いま、この子を褒めるためにはどうすりゃいいか?」を考えるんですね。
そして、それを実際にやっていくときの基本が、この3つなんです。

 「いま、できていること」にとにかく注目する
 「できる」の条件を緩める
 「できる」ように工夫する

この3つは、すべて「今すぐ褒めるための」ものです。
そして、それを言い換えると「いまを、認める」なんですね。

「この子はまだこれができてないから」とか、「ここのところがまだ足りないから」ということはもう脇に置いちゃって、ありていに言えば「あるがままの姿、行動」を認めちゃう。

常に「いまの君は正解」ってことを、イヌに伝えていく。

「今日も正解。明日も正解。明後日も正解。1週間後も、1ヵ月後も、半年後も、ずーっと正解」っていうスタンスで、イヌと付き合っていく。

そして、たとえば1年経った後で、過去を振り返ったときにはじめて「ああ、そういえばあの頃はあれができてなかったんだなぁ」と思い出す。

「いまできていないから、できるようになろう」じゃなくって、「いま、すでにできてる」っていう風に、とにかく考え続けるんですね。
そして「褒めるために、何をやるか?」を、常に考えるんです。
「問題をなおす、解決するため」ではなく、「正しい行動を教えるため」でもなく、「褒めるために、何をやるか?」です。

それをやろうと思ったら、「いまを認める」しかないんですね。
でないと、褒められませんから。

この辺のことは、なかなか伝わりにくい部分でもあったりします。
でも、実際にやってみると「あー、こういうことかー」っていうのが見えてきます。
このブログをお読みの方には、一度でもいいので「いま褒めようと思ったら、なにをしたらいいか?」っていうことを、考えながらイヌの行動を見て欲しいなと思います。
そうすると、「はっ!こういうことか!」みたいなのがわかったりするので。

大事なのは、常に「いま、褒める」ということ。

イヌのいまを、認める」ということ。

すると、何日後か、あるいは何ヵ月後か、はたまた何年後かに、色んなことが「できる」ようになっているイヌが、目の前に現れます。

 

じゃあ、いつ褒めますか?

 

 

今でしょ!

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: イヌの「できる」を増やす, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ タグ: , , , , , パーマリンク