イヌの「できる」を増やすために 5 「イヌに合った」だけ?

「あなたのイヌに合ったしつけ方」

もう、お腹いっぱいってぐらい、よく見る言葉だなぁと思うんですが、あなたはどうですか?

「イヌのしつけは飼い主次第」

これまた、聞き飽きたし見飽きたってぐらいよく見る言葉だなぁと思います。
ただ、ちょっとここで、ふと疑問が湧きませんか?

「イヌに合ったしつけ方」
「イヌのしつけは飼い主次第」

あれ?
飼い主に合ったしつけ方」は?ないの?

そんなわけで、そんな話に移って参ります。

前回のエントリでは「自分の子のことを考えましょうね」ということを書きました。
よその子のことは、どうでもいいからと。

そんな前回のエントリに、入れようかどうしようか迷って、結局入れなかったものがあるんですけど。

ときには、こんな意見もあったりします。

 「うちの子のことを考える?
  ええ、考えてますよ。
  よくよく考えた結果、褒めるだけじゃあうまくいかない。
  そういう結論に達したわけです。
  だから、ときには叱ることもあります」

これと似たことは、プロの方でも言ったりしますかね。

 「褒めるだけじゃ、無理なイヌだっているんです」

本当にそうでしょうか?どうなんでしょうか?
もう一度、「叱る」という行為について考えてみます。

以前のエントリでも散々書いたことですが、「叱る」も行動です。
そして、何らかの「目的」があって、叱っているはずです。
じゃあ、その「目的」ってなんなんでしょう?

 「イヌに反省してもらうため」

じゃあ「反省しているかどうか?」は、どうやって見極めるんでしょう?
「反省してんのか!?」と聞いたところで、「えー。今回の件につきましては、わたくし自身の認識や行動に、甘い部分があったと、深く反省しておる次第であります」なんてことをイヌが答弁するわけないですし。
で、そういう答弁をして反省してる人ってなんか居ない気がするし。

結局のところ「反省してるかどうか?」を見極める方法は一つしかなくて。
それは「同じ行動を繰り返すかどうか」ですよね?

「注意されたにもかかわらず、何度も同じことをやってる」って場合、これは「反省してない」となるでしょう。
でも、「二度と同じことを繰り返さない」となれば、これは「反省している」と見てもよさそうです。
それにプラスして「こちらが期待する行動をし続ける」までいけば、完璧ですね。

で。
それって、「叱らないと実現できないこと」なんでしょうか?

「叱る」の目的は、「同じ過ちを繰り返させない」「正しい行動をさせ続ける」だと。
これだったら、「同じ過ちを繰り返さない工夫」をして、「正しい行動を褒める」でいいんじゃないですかね。
どう思いますか?

ところが、頭でそれを理解したとしても、やっぱりどうしても「叱って」しまうことがある。
なかなか難しい問題です。

「時には叱る必要もある」と、考える。
これも、実は「行動」です。
そしてその「行動」をしているのは、誰あろう人間です。
まさかイヌが「やー、自分、不器用っすから。なんていうんですか?叩かれて伸びるタイプ?ああいう感じだもんで、そこんとこひとつよろしくっていうか」なんてこと言ってきませんよね?

でも、「叱る必要がある」と、考えてしまう。
なぜにそのような「行動」が出てしまうのか?
この辺の話と「できる」の話をミックスさせつつ、色々とお伝えしてまいります。

続きます

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: イヌの「できる」を増やす, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ タグ: , , , , , パーマリンク