「イヌを叱る」をやめるために その4

前々回のエントリから「イヌを叱るのをやめるためには?」というテーマで書いております。
ここまでのエントリを、全部並べておきましょう。
一応、通しで読んでいただけると幸いです。

イヌのしつけと体罰(罰)
「イヌを叱る」のほんとのところ
「叱るメリット」 イヌを叱るのほんとのところ2
「叱るデメリット」 犬を叱るのほんとのところ3
イヌを「叱る」がうまくいかない理由 その1
イヌを「叱る」がうまくいかない理由 その2
イヌを「叱る」がうまくいかない理由 その3
イヌを「叱る」がうまくいかない理由 その4
「イヌを叱る」番外編 僕が叱らなくなったワケ
「イヌを叱る」をやめるために その1 その2
「イヌを叱る」をやめるために その3

そんなわけで、今日はその4です。

「イヌを叱る」をやめるために その4
とりあえずやめてみる

とりあえず、やめてみてください。
言葉でどれだけ説得されても、自分で体験してみないと納得できなかったりします。
これはもう、いわゆる「論より証拠」というやつですね。
これまでのエントリに挙げたことを実践しつつ、やめてみてください。
それだけで、変わる行動というものが結構あるはずです。

トイレの失敗を叱っている」という人がいたら、効果はバツグンだと思います。
まず「トイレのしつけ」はね、だいぶ当たり前になってきましたけれども、叱ったってうまくいかないんです。
「トイレを失敗したら叱る」っていうことをしている人は、是非やめてもらいたいなぁと思います。
「ウンチを食べる」という、いわゆる「食糞」の問題も同じです。
これも叱ったってうまくいかないです。
「フードを変える」とか、「ウンチにタバスコふりかけて置いておく」なんて方法もあるみたいですけど、もっと確実な方法もあります。

あと「無駄吠え」を叱っている人にも、きっと効果はあるはずです。
イタズラ」についても同じことが多いです。
この辺については、これまでのエントリに割と詳しく書きましたので、是非お読みください。

ただし、注意が必要なのが「ただ叱らない」だけだと、一時的にひどくなる可能性があります。
そのまま放置していても収まっていくことが多いんですが、たとえば「吠え」の問題で悩んでいる方にとっては、「ひどくなる」のも避けたい話だと思います。
マンションで暮らしている方なんかはそうですよね。
時と場合、環境によっても変わってくるので、一概に言うことはできないんですが、そういう「ひどくなる」ことをパスする工夫や、「ひどくなる期間」を短く済ませる工夫なんかもありますので、「おい!ひどくなったぞ!」という方は、一度ご相談いただければと思います。
やっぱり、実際に暮らしている環境に合わせて、どう工夫するか?というのが一番大事なので。

「叱るのをやめる」で、一番効果が出るだろうなと思うのは、「飼い主への攻撃」「飼い主への警戒」ですね。
飼い主を噛む」「飼い主に唸る」という行動は、大体「嫌だ、やめて」というイヌからのメッセージです。
簡単な図式を書けば、こういうものになります。

  叱られている―噛む・唸る―それ以上叱られない

「叱られている場面・状況」もしくは「叱られそうな場面・状況」で、「噛む、唸る」という行動をすると、飼い主の「叱る」という行為を止めることができたりします。
噛まれた後、再び「叱る」という対応をする人も多いと思いますが、それでも「噛まれた瞬間」は、飼い主さんの動きが止まります。
単純に痛いし、びっくりしますしね。
「がっつり噛まれても、まったく動きを止めることなく叱り続けられる」っていう人は、とても少ないんじゃないかなと思います。

すると「噛んだ瞬間」は、「飼い主の動き」を「止められる」わけですから、ほんの一瞬のこととはいえ、イヌにとって「メリット」が発生します。
それが「噛む」「唸る」という行動を、ずっと維持してしまうんですね。

ですが「叱ることをやめる」ということをすれば、この流れで起こる「噛む、唸る」という行動は、その「きっかけ」がなくなるので、減少します
また、叱られなくなるので、飼い主さんに対する印象みたいなものが、徐々によいものへと変わっていきます
イヌにとっての飼い主さんが「噛まないといけない相手」から、「噛む必要のない相」へと変わっていくわけです。

もし、「自分のイヌに噛まれる、唸られる」という悩みを持っているのであれば、是非とも「叱るのをやめる」ことを、選んでいただければと思います。

うまくいかなかったら、ご連絡ください。
イヌにも飼い主さんにも負担のないように、サポートしますので。

「イヌを叱る」

いつやめますか?

 

 

今でしょ!

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: 「イヌを叱る(罰)」を考える, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ タグ: , , , , , , , , , , パーマリンク