あなたのイヌが吠える理由 2  イヌの“気持ち”を考える

前回のエントリの続きです。

これまでのあらすじ……

「散歩中に他犬と出会ったら吠えるイヌ」
なぜ、このイヌは他犬に吠えるのか?
飼い主は「警戒心が強いのではないか?」と考えている。
果たして、この「犬の気持ち」は?
行動データから見事推理して、この「犬の気持ち」を探り当てることができるのか!?
どうなるアベノミクス!どうなる阪神タイガース!
テツandトモはどこ行った!?
「吠える」という行動に隠された真実とは……
(最後の方一部関係ないことが入りました)


ということで、前回のエントリにも出てきたグラフをもう一度。

bark-train1

ほぼ100%他犬に出会うと吠えていることがわかります。
そして、飼い主さんは「警戒心が強い」という「仮説」を立てています。
この「仮説」に乗っかって、考えてみることにしましょう。

さて、「警戒心が強い」の、この「警戒心」って、とどのつまりなんなんでしょう。
文字通りに解釈すれば、こうなります。

「警戒する心」

しかし、以前のエントリに書いたように「こころ」というものは目に見えません
ところが私たちは、目に見えないはずの「こころ」を、何かしらの方法で「想像」することができます。
じゃあ、何を根拠に想像してるんでしょう?
それは、「行動」です

たとえば、ここに小石があるとします。
じっとしています。
動きません。
話しかけてもぴくりとも反応しません。
返事がない。ただの小石のようだ。

こういう「まったく無反応なもの」には、なかなか「こころがある」とは思えなかったりします。
ところが、たとえば車なんかには、「こころ」があるように思ってしまうこともあったりします。
「最近、エンジンのかかりが悪い」というのを、「車の機嫌が悪い」なんていう風に表現したりもしますよね。
こんな風に、「何かしらの反応がある」場合は、なんとなく「こころがある」ように感じることがあるわけです。

そして、それはイヌでも同じ。
「他のイヌに山ほど吠える」という「行動」「反応」を見て、「警戒心が強いんだ」と「想像」するわけです。
しかし、「警戒心が強いんだ」は、ただの「想像」です。
イヌに聞いてみたところで、何も答えてはくれません。
まず、言葉が通じないですからね。

時々、「動物の言葉がわかる」という外国の女性がテレビのバラエティー番組に登場しますが、あの方は「動物とは会話できる」のに、「日本人との会話」には通訳が要るんですね。
言葉というものは本当に難しいんだなぁと。

閑話休題。

じゃあ、どうやって「警戒心が強い」ということを突き止めればいいのか。
なにをもって「警戒心が強い」といえるのか。

そもそも、なんで「警戒心が強い」と思ってしまうんでしょう。
「警戒」とは、辞書によれば「危険や災害に備えて、あらかじめ注意し、用心すること」という意味のようです。
「他のイヌに吠える」という行動を見て、「この子は、他のイヌを危険だと思っている」という風に、想像しているということになるでしょうか。
そして、なぜそのように思ってしまうのかといえば、「追い払っているように見えるから」ということになるかと思います。
つまり、「他犬と出会うと、毎回追い払っているように見える行動」を見て、「警戒心が強い」と表現しているわけですね。

bark-function

ということは、「実際に追い払っているかどうか」がわかれば、かなり「犬の気持ち」「犬の心」「犬の心理」に迫れそうな感じがします。

では、どうすれば「実際に追い払っているかどうか」がわかるんでしょう。
ただ「観察」しているだけでは、結局今まで通りの「想像」でしかありません。
ここから先は、「見ているだけ」ではわからないわけです。

「確認する」作業が必要になります。
さて、どうやって「確認」するんでしょうか。

続きます

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
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