イヌのしつけの鉄則 「叱る」トレーナーの話

「犬のしつけ」で、大事なことは「犬を褒めること」だと、よく言われます。
どんな本を読んでも、ネットで情報を探しても、必ずと言っていいほど、「犬を褒めましょう」と書いてあります。
でも、同時に「褒めるだけで本当になんとかなるの?」と、思ってしまうこともあります。
「ときには叱ることも必要なんじゃないの?」とか。

 「褒める」
 「叱る」

どうなんでしょう?
どう思いますか?

それでは、「考え方のアレンジ」 「褒める」と「叱る」スタートです。

結論からいえば、「イヌを褒めること」は、とても大事です。
というか、鉄則です。
「褒めてるだけで、なんか知らないけどなんとかなっちゃった」みたいなことは本当にしょっちゅうあります。
しつけであれ、トレーニングであれ、問題行動の改善であれ、その中身は「イヌの行動を変える」ということに他なりません。
その「行動を変える」「行動が変わる」プロセスは、大きく分けて2つです。

 「行動が減る」
 「行動が増える」

この2つ。
そして、ほとんどの人は「いま起こっている問題行動を、どう減らそうか?」と考えることが多いようです。
「こんなことをされると困るから、なんとかしてやめさせよう」
こんな感じで。

ただ、いつも飼い主さんにお話することなんですが、たとえばこんなトレーナーがいたらどう思うでしょうか?

 あなたは、愛犬の問題行動で悩んでいます。
 そこで、トレーナーさんにお願いして、問題を改善してもらおうと考えました。
 早速ネットで調べて、お家に来てもらいました。
 ところが、家に着くなり、トレーナーさんはこう言います。

  「○○さん、あなたは本当にダメな飼い主ですね」

 あなたはいきなりのことで面喰らいましたが、それでも話を聞くことにしました。
 トレーナーさんは、こう続けます。

  「そもそも、問題を改善してもらおうというのがダメです。
   いいですか?
   イヌのしつけというのは、飼い主がやるものなんです。
   誰かに“やってもらおう”という時点で、まったくダメ。
   あなた、自分の子供のしつけを、赤の他人にお願いしますか?
   しないでしょう?」

 いきなりで失礼な人だなと思いつつ、あなたは黙って話を聞いています。
 トレーナーさんは、家の中を見回してさらに続けます。

  「まず、このハウスの設置場所。これは最悪ですね。
   こんな場所で、犬が落ち着けるわけがない。
   それから、トイレの設置場所もダメです。
   あと、散歩っていうのはですね、もっと犬と楽しんでやるものなんですよ。
   楽しんでないでしょう?それが犬に伝わってるんです」

 トレーナーさんからの「ダメ出し」は終わるどころか、どんどん続きます。
 「ここがダメ、あれがダメ、そんなことをするな、何を考えてるんですか」と。
 そして、最後にこう言われます。

  「とにかくあなたは、ダメ!以上。終わりです」

 え?終わり?
 きっと、こう思うんじゃないでしょうか?

  「ダメなところを指摘して、それで終わり?
   アドバイスは?ねえ、アドバイスは?
   なんでひたすら怒られて終わりなわけ?
   これじゃあ、何をどうすればいいのかわからないじゃないの!」

イヌの行動を「減らそう」と考えた場合、どうしても「ダメ!」と叱るという対応を取ることになります。
「吠えたらダメ!イタズラしたらダメ!噛んだらダメ!暴れたらダメ!拾い食いしたらダメ!」
それはまさに、このトレーナーさんがあなたにしたことを、イヌに対してやっているのと同じです。
そして、ひょっとしたら、イヌはこう思うかもしれません。

「じゃあ、何をすればいいの?」

このトレーナーさんは、どうすればよかったんでしょうか?
そして、このブログを読んでいるあなたは、どうすればいいんでしょうか?

「褒める」
「叱る」

このことについて、少しずつお伝えしていきます。

続きます

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: 「イヌを褒める」を考える, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ パーマリンク