イヌのしつけがうまくいく「褒める」考え方の基本

「褒める」ということについて、「トイレのしつけ」「無駄吠え」「イタズラ」と、3つの事例を見てきました。
そして、前回のエントリの最後に「この3つの事例を通して、お伝えしたい大事なポイントがある」と書きました。

実は「褒めることが大事なのは、もう耳にタコです。わかってます。ていうか褒めてます。でも、うまくいかないんですーっ!やってるけどできないから困ってるんですーっ!」という方も、少なくありません。
正直な話、ご相談にお伺いしても、多くの飼い主さんは「褒めて」らっしゃいます。
でも、うまくいかない。
それは何故?
お伝えしたい大事なポイントは、この「褒めてるのに、うまくいかない」という「問題」の解決のヒントになるお話です。

それでは、また事例を出しながら、お伝えしようと思います。

神戸市のあるお宅には、生後9ヶ月のわんちゃんがいました。

このお宅には、リビングの横に和室があるのですが、飼い主さんは「できれば和室には入れたくない」と考えてらっしゃいました。

基本的には襖を閉めておき、和室には入れないようにしていたのですが、人間ときにはうっかり閉め忘れることもあります。
ある日、うっかり襖を開けっ放しのままにしてしまい、わんちゃんが和室に入ってしまいました。
すぐに捕まえてリビングに連れて戻したのですが、それ以来、何度となく和室に入られるようになってしまいました。
そして、いつの間にか「鼻で襖をこじ開ける」という技を覚えられてしまい、閉めていても入っていってしまうことが段々と増えてきました。
飼い主さんは「和室に入ったら、ダメ!と叱る」という対応を続けてらっしゃいました。
家族で対応がバラバラになってはいけないということで、家族全員で「厳しく」(飼い主さん談)やっていたとのことです。
ところが、何度叱っても和室に入られてしまいます。

サークル飼育にするか、和室もOKにしちゃうか、どうしよう…

飼い主さんは、ちょっと困っていました。

こういう「叱ってるのに全然やめてくれない」ということは、少なくありません。
むしろ、ほとんどの「しつけの悩みや困りごと」というのは、「叱っているのにやめてくれない」から、困るし悩むんですね。

これは、犬のしつけに限った話ではないですよね。
子供のしつけや、学校での先生の対応、なんなら「法律」も同じです。
大体が「これは禁止。これをしたら罰」みたいな、「罰則規定」があるばかりです。
その「罰」がうまく効果を発揮してくれれば問題はないのですが、そうではないこともたくさんあります。
このわんちゃんも、同じですね。
ご家族は、みんなで「厳しく」対応していたにもかかわらず、うまくいかなかったわけですから。

では、どうすればいいんでしょうか?
サークルに入れちゃえば、もちろん問題は解決します。
でも、飼い主さんは「それはできればしたくない」とのことでした。
「和室をOKにする」というのも、やはり「できればしたくない」とのことでした。
ここで、「考え方の基本」として、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。
この基本は、どんなしつけでも、どんな問題行動の改善でも、あるいは他のちょっとした暮らしの中での困りごとの解決(たとえばこのわんちゃんのようなケース)でも、「鉄則」とも呼ぶべき考え方です。

それは、「してほしいことを考える」ということです。

続きます

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: 「イヌを褒める」を考える, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ タグ: , , パーマリンク