イヌがコタツの中で丸くなる理由 褒めることの本質 行動の原理

この冬、多くのご家庭で起こっているであろう「イヌは喜び庭駆け回らず、イヌはコタツで丸くなる」現象。
ここから、「イヌにとってのメリット」「褒めることの本質」について、お話をしています。

イヌがコタツで丸くなっている現象が起こっているとき、まず、前提として「部屋が寒い」という状況があります。
毛皮を着ているとは言っても、イヌも寒いもんは寒いということがあるでしょうね。
ところがある日、「コタツの中は温かい」ということを、イヌが経験しました。
すると、なんということでしょう。
あれほど家の中をウロウロとしていたイヌが、匠の用意したコタツの中でじっとしているではありませんか。
これには飼い主さんもびっくりです。
まさに劇的びふぉーあふたー的な展開が訪れるわけです。

「部屋が寒い」という状況にあって、「温かい」というのは大きなメリットでしょう。
だからこそ、「教えたわけでもないのに、勝手にコタツの中でじっとしている」なんてことが起こるんですね。
特に褒める必要もないわけです。
メリットは、コタツが用意してくれているわけですから。
つまり、「イヌにとって心地よい場所」であれば、イヌはその場所でじっとするわけです。

このコタツの話、ハウストレーニングやクレートトレーニングに応用できそうですよね?
ハウスやクレートでじっとできない、大人しくできないのはなぜか?
それは、ハウスやクレートが、「心地よい場所ではない」からです。
ハウスやクレートに入っても、「大したメリットがない」からです。
ゆっくりと、安心して気持ちよく過ごせる場所ではないからです。

だったら?
そう、「ハウスやクレート=心地よくで、メリットがたくさんある場所」にしてあげればいいわけです。

「メリットがあれば、進んでやるようになる」

これは、行動の原理、原則です。
「行動の科学」あるいは、心理学の中にある「行動分析学(応用行動分析)」で確立された原理、原則でもあります。
一般的には「強化の原理」なんて言われ方もしていますね。
学問的な話が出てくると、途端に難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いたってシンプルな話なんです。
何も難しく考える必要はありません。
要は「なんかいいことがあるから、何回もやっちゃうんだよね」という話です。
そして、この「いいこと」「メリット」は、常に相手が決めること。

このあたりの話は、以前の「トイレを急に失敗するようになった事例」でも、詳しく書きました。
当たり前すぎて、うっかり忘れてしまう大事な考え方です。
だからこそ、何度も何度もお伝えする必要があると思っています。

どんなときであっても、どんな場面であっても、この基本原則、原理は忘れないでいただきたいなと思います。
ここさえきちんと押さえていれば、色んなことが「できる」ようになっていきます

そして、これこそが「褒める」の本質です。
「褒め方」というものを気にしている飼い主さんは、たくさんいらっしゃいます。
しかし、その「褒め方」が「合っているかどうか」を、なぜかしつけの本や、ネットのブログや、他人の意見にゆだねようとする人がとても多いようです。

あなたの「褒め方」が正解かどうかを教えてくれるのは、あなたのイヌだけです。

しつけの本ではありませんし、しつけに詳しい人でもないですし、しつけのブログを書いてる人でもないし、もちろんこのブログでもありません。
オヤツを使うとか使わないとか、どこを撫でればいいかとか、どんな声のトーンだとか、オモチャは何がいいとか、なにもかも全部、すべて、正解は「あなたのイヌ」が教えてくれます
仮に「こういう褒め方が良い」というアドバイスをもらっても、それを鵜呑みにせず、まずは「試して」みてください。
その「褒め方」が合っていれば、あなたのイヌは何度もその行動をやるようになります。
何度もその行動をやらない場合は、「褒め方」がちょっとずれているということです。
難しく考えることはありません。
ごくごくシンプルな話です。

大事なのは「繰り返し、その行動が起こるかどうか」です。

だって、「ありがとう!また今度もよろしくね!」って気持ちで褒めるんですから

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hit1678 について

1978年9月17日生まれ。♂ Dog Life Design ocean style代表。 行動学(行動分析学)に基づいた、イヌの問題行動の改善が専門。 高校卒業後、警察犬訓練士に師事。その後、家庭犬の訓練に従事する。 現在は、問題行動の改善をメインとしつつ、しつけ、トレーニングではなく、「ヒトとイヌの暮らし」を支える「Dog Life Design」というコンセプトで、京阪神をメインに訪問セッションやセミナー講師を務める。 現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科応用人間科学専攻(対人援助学領域)に通う社会人大学院生。
カテゴリー: 「イヌを褒める」を考える, ベースアレンジ, 考え方のベースアレンジ タグ: , , パーマリンク